DNDC-Riceモデルの概念図
DNDC-Rice モデルについて

こちらでは、DNDC-Riceという数理 モデルを用いて、メタン排出量をより詳しく計算します。

水田の土壌にすき込まれたわらや堆肥などの有機物は、微生物の働きで分解されます。水田に水が張られて土 壌中の酸素が少ない状態(嫌気状態)になると、有機物の分解過程でメタン生成菌が働いてメタンが作られま す。一方、嫌気状態では鉄還元菌などの働きで鉄(Fe)やマンガン(Mn)が還元されますが、鉄やマンガンの 還元にも有機物が消費されるため、鉄やマンガンはメタンの生成を抑制する働きをします。

中干しなどで水田の水を落とすと、土壌に酸素が入ってメタンを酸化するほか、還元されていた鉄やマンガン を酸化します。酸化された鉄やマンガンは、再び土壌が嫌気状態になった時にメタン生成を抑制する働きをし ます。土壌中で酸化されずに残ったメタンは、主にイネの茎を通って大気に放出されると考えられています。

DNDC-Rice モデルは、土壌の性質や気象、栽培管理条件のデータに基づき、上で述べたような多くの反応をコ ンピュータで計算してメタン排出量を求めます。1 日 1 日について多くの計算を行うため、20 年分の計算を行 うには数分程度の時間がかかります。そこで、モデルの機能を手軽に体験していただけるように、ある地点で 予め栽培管理条件を色々に変えて計算した例を下記のリンクからご覧いただけます。